『戦争の法』佐藤亜紀(伽鹿舎QUINOAZ)
2017年12月23日発売
戦争の法
佐藤亜紀 伽鹿舎QUINOAZ
- 作者: 佐藤亜紀,清水美樹
- 出版社/メーカー: 伽鹿舎
- 発売日: 2017/12/23
- メディア: 文庫
佐藤亜紀初期の傑作長編、『スウィングしなけりゃ意味がない』と共に今こそ読みたい〝地場産業の倅三部作〟の第一作が復刊!
『バルタザールの遍歴』以降、常に鮮烈な作品を放ち続ける佐藤亜紀の初期傑作長編。
1975年、N***県独立──
ソビエト連邦共和国の庇護下で成立した社会主義体制のもと、人々は欲望の赴くままに奔走する。
ツキにツキまくった〝伍長〟、繊細な美貌の天才狙撃手、一癖も二癖もある登場人物たちの〝戦争譚〟を、自ら「信用できない語り手」と嘯く主人公が語る回想録。
『戦争の法』IUS BELLI
さて、私は語りという隠れ頭巾を頭に載せて退場しよう。時は一九七五年。つまり、まだソビエト連邦なる国家が地上に存在し、存在するばかりではなく悪の帝国でさえあった頃。県は今しも風雲に見舞われようとしていた……。