【電子書籍】「温泉と城壁」北野勇作(惑星と口笛ブックス)
2018年10月28日配信
【電子書記】
北野勇作2本立て その1
「温泉と城壁」 北野勇作 惑星と口笛ブックス
〈北野勇作2本立て〉シリーズ第1弾。近年あらたな小説の地平を切り開きつつある北野勇作の短篇を2作収録。
「路面電車で行く王宮と温泉の旅一泊二日」は、子供の頃に住んだ王国に帰ってきた男の見る光景を描く地誌的作品。北野勇作はいよいよ世界最深の綺想の領域に踏みこんでゆく。
「壁の中の街」が描くふたつ目の王国にあるのは、まず城壁である。主人公は城壁のなかにあるホテルに宿泊している。迷宮のごとき城壁の回廊、奇妙な居酒屋の主人、想像もしないやりかたで現れる妻。想像力の文学の最新アップデートをインストールしてみませんか。
400字詰め原稿用紙換算約88枚。 表紙は森川弘子。
『奇譚蒐集録―弔い少女の鎮魂歌―』清水朔(新潮文庫nex)
2018年10月27日発売
「日本ファンタジーノベル大賞2017」候補作
奇譚蒐集録―弔い少女の鎮魂歌―
清水朔 新潮文庫nex
骸(むくろ)を撫でる少女たちは皆十八で呪(のろい)の痣(あざ)に殺される。
大正二年、帝大講師・南辺田廣章(みなべだこうしょう)と書生・山内真汐(やまうちましお)は南洋の孤島に上陸した。この島に伝わる“黄泉(よみ)がえり”伝承と、奇怪な葬送儀礼を調査するために。亡骸の四肢の骨を抜く過酷な葬礼を担う「御骨子(ミクチヌグヮ)」と呼ばれる少女たちは皆、体に呪いの痣(あざ)が現れ、十八歳になると忽然と姿を消す。その中でただひとり、痣が無い少女がいた。その名はアザカ。島と少女に秘められた謎を暴く民俗学ミステリ。
奇譚蒐集録シリーズ
『八月は冷たい城』恩田陸(講談社タイガ)
2018年10月24日発売
- 作者: 恩田陸
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2018/10/24
- メディア: 文庫
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夏流城(かなしろ)での林間学校に初めて参加する光彦(てるひこ)。毎年子どもたちが城に行かされる理由を知ってはいたが、「大人は真実を隠しているのではないか」という疑惑を拭えずにいた。ともに城を訪れたのは、二年ぶりに再会した幼馴染みの卓也(たくや)、大柄でおっとりと話す耕介(こうすけ)、唯一、かつて城を訪れたことがある勝ち気な幸正(ゆきまさ)だ。到着した彼らを迎えたのは、カウンターに並んだ、首から折られた四つのひまわりの花だった。少年たちの人数と同じ数――不穏な空気が漂うなか、三回鐘が鳴るのを聞きお地蔵様のもとへ向かった光彦は、茂みの奥に鎌を持って立つ誰かの影を目撃する。閉ざされた城で、互いに疑心暗鬼をつのらせる卑劣な事件が続き……? 彼らは夏の城から無事に帰還できるのか。短くせつない「夏」が終わる。
来週24日(水)発売、恩田陸さん「八月は冷たい城」の表紙に作品を起用して頂きました。
— Asuka Irie (@AsukaIrie) October 17, 2018
「七月に流れる花」(発売中)の表紙は少女、「八月は冷たい城」の表紙は少年がモデルです。 pic.twitter.com/MtVdiu9tDj