【電子書籍】『あいつらにはジャズって呼ばせておけ』(惑星と口笛ブックス)
2018年12月3日配信
【電子書籍】
ジーン・リース短篇集
あいつらにはジャズって呼ばせておけ
ジーン・リース 西崎憲・中島朋子他 訳 惑星と口笛ブックス
カリブのドミニカ国生まれの白人女性作家ジーン・リースは、知名度においては、ヴァージニア・ウルフやキャサリン・マンスフィールドに一歩譲るかもしれないが、現代性ではあるいは凌ぐ存在である。
『ジェーン・エア』に登場する屋根裏の狂女バーサを主人公にした長篇『サルガッソーの広い海』は、ポストコロニアリズム、フェミニズム、インターテクスチュアリティーのどの観点からも興味深い。 さらに21世紀の小説を先取りするように現在形のみで書かれた「あいつらにはジャズって呼ばせておけ」。完璧なゴーストストーリー「心霊信奉者」。戦時中の極端に右傾化したイギリスで排斥される女を描いた「よそ者を探る」など、主題は多岐にわたる。 そして登場人物の世界との隔絶感はつねに生々しい。ジーン・リースは現代作家である。そう言い切っても構わないだろう。
編纂は西崎憲、翻訳は安藤しを、磯田沙円子、樫尾千穂、加藤靖、小平慧、笹原桃子、沢山英里子、獅子麻衣子、中島朋子、西崎憲、吉見浩一。
原稿用紙換算約500枚。18作中15作が初訳。解説(約45枚)と書誌つき。