短編アンソロジー『味覚の冒険』(集英社文庫)
2018年10月19日発売
短編アンソロジー
『味覚の冒険』 集英社文庫
嵐山光三郎 井上荒野 岡本かの子 川上弘美 椎名誠 清水義範 白石一郎
田中啓文 谷崎潤一郎 筒井康隆 中島らも 南條竹則 夢枕獏 吉行淳之介
- 作者: 南條竹則,井上荒野,川上弘美
- 出版社/メーカー: 集英社
- 発売日: 2018/10/19
- メディア: 文庫
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『食』にまつわる厳選14本、読んで出るのは唾液か、胃液か!?
※食欲を刺激するかどうかは保証しません。ただ、全部面白いことは保証します。
いきなり文庫!
五感の中でもっとも記憶が薄れないのが味覚。人間は食とともにある。健康のためには一日三食、規則正しい食生活を。心の健康のために、一日一作、規則正しい読書生活はいかが? ただしご注意を。「食」ではなく「味覚」、しかも「冒険」と銘打たれたこのアンソロジー、一筋縄ではいかないかも。ただ、14編どれもがリアルな味覚に訴えかける迫力と、飛び切りの面白さを備えていることは保証します。
収録作品
【電子書籍】『仮想の騎士』斉藤直子(惑星と口笛ブックス)
2018年10月18日配信
【電子書籍】
第12回「日本ファンタジーノベル大賞」優秀賞
仮想の騎士
斉藤直子 惑星と口笛ブックス
第12回日本ファンタジーノベル大賞優秀賞受賞作品。
書き下ろしの前日談「サンメダール教会の奇跡」併録。
斉藤直子の作品は少ない。本書以外には、2009年から刊行された河出文庫の大森望編のSFアンソロジーシリーズ〈NOVA〉などに発表した短篇数篇を数えるのみである。
しかしそれだけで掛けがえのない作家という評価が定着しているように見える。
たしかに斉藤直子は掛けがえのない作家なのである。何しろ日本でも世界でも数少ないユーモアSF、ユーモアファンタジーを書くことのできる作家なのだから。
日本ファンタジーノベル大賞優秀賞受賞の本作は、十八世紀半ばのパリやヴェネツィアを舞台に、女装の騎士デオンが活躍する歴史ファンタジーあるいは錬金術ファンタジーで、おそらく類書のない小説である。
登場するのは関西弁を話すカザノバ、最愛王ルイ十五世とその愛人ポンパドゥール夫人、不死と噂されるサン・ジェルマン伯爵、催眠術の創始者フランツ・アントン・メスメルなど。豪奢で絢爛として、幻想文学の核に根ざし、かつユーモア小説でもあるという稀有の作品である。
「サンメダール教会の奇跡」は最愛王ルイ十五世とのちのコンティ親王の少年時代の一逸話である。こちらは、シリアスな作品で、ルイ十五世の怪物めいた性格が重厚に活写 され、この作家の筆力が並々ならないものであることを証している。
400字詰め原稿用紙換算約310枚。「サンメダール教会の奇跡」は約50枚。 大森望の紹介つき。〈ブックス・ファンタスティック〉シリーズ第3作。
9月の刊行は決定しているのが、日本ファンタジーノベル大賞優秀賞受賞作斉藤直子『仮想の騎士』です。おそらく日本最高の長篇ユーモアファンタジーです。では短篇では何がそれか。たぶん斉藤直子の短篇のどれかです。
— 惑星と口笛ブックス (@p_a_w_books) August 30, 2018
【電子書籍】「グラーフ・ツェッペリン 夏の飛行」高野史緒(Kindle Single)
2018年10月16日配信
【電子書籍】
グラーフ・ツェッペリン 夏の飛行
グラーフ・ツェッペリン 夏の飛行 (Kindle Single)
- 作者: 高野史緒
- 出版社/メーカー: Amazon Publishing
- 発売日: 2018/10/16
- メディア: Kindle版
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ある夏の夕、かの有名な飛行船「ツェッペリン号」が現代日本の空を悠然と航行する――ありそうもないおとぎ話を、精密且つ繊細に描いてみせるSF中編。
女子高校生・夏紀は、母親の生まれ故郷である土浦を訪れた。約90年前の1929年8月、当時、世界最大の飛行船だった「グラーフ・ツェッペリン号」は史上初の世界一周飛行の途中、ここ土浦にある霞ヶ浦海軍航空隊基地に寄港した。
ところが、夏紀には小学生の頃、祖母の葬儀のために来た当地で、確かに巨大な飛行船を見た記憶があった。その話を聞いた従兄の登志夫は、量子コンピュータに接続した拡張現実装置を夏紀に装着させ、もう一度現れるはずのツェッペリン号を追跡しようとするが……
時間はまっすぐに流れるのか? 真実は常にひとつなのか? 刺激的な思索に満ちた野心作。
グラーフ・ツェッペリン 夏の飛行 (Kindle Single) | 高野 史緒 | 日本の小説・文芸 | Kindleストア | Amazon
kindle singleで10月に出た高野史緒「グラーフ・ツェッペリン 夏の飛行」を今ごろやっと読んだら、年間ベスト級の傑作中編だった。フリッツ・ライバー「あの飛行船をつかまえろ」の日本版というか現代SF版。すばらしい。https://t.co/Fws6dGpT1n
— 大森望 (@nzm) December 8, 2018
文学ムック「たべるのがおそい」vol.6(書肆侃侃房)
2018年10月15日発売
文学ムック
「たべるのがおそい」vol.6 書肆侃侃房
- 作者: 谷崎由依,酉島伝法,佐藤究,深緑野分,林由紀子,前田司郎,吉野仁,我妻俊樹,石川美南,斎藤見咲子,中山俊一,メアリー・エリザベス・カウンセルマン,ホルへ・ルイス・ボルヘス,西崎憲,狩野一郎
- 出版社/メーカー: 書肆侃侃房
- 発売日: 2018/10/15
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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【巻頭エッセイ】
前田司郎
【特集〈ミステリ狩り〉】
佐藤究 深緑野分
【創作】
【短歌】
我妻俊樹 石川美南 斎藤見咲子 中山俊一
【エッセイ】
林由紀子 吉野仁
【翻訳】
メアリー・エリザベス・カウンセルマン
狩野一郎訳
ホルへ・ルイス・ボルヘス
西崎憲訳
『ドライブインまほろば』遠田潤子(祥伝社)
2018年10月12日発売
- 作者: 遠田潤子
- 出版社/メーカー: 祥伝社
- 発売日: 2018/10/11
- メディア: 単行本
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峠越えの“酷道”を照らす一軒の食堂。
義父を殺めた少年、幼い娘を喪った女、親に捨てられた男。
孤独と絶望の底で三人の人生が交差したとき、
〈まほろば〉が見せた “十年に一度の奇跡”とは?
「人殺しになるくらいなら、生まれてけえへんかったらよかった」
奈良県南部の秘境の村を通る峠越えの旧道沿いで、細々と営業を続ける「ドライブインまほろば」。ある日、憂(ゆう)と名乗る少年が幼い妹を連れて現れ、「夏休みが終わるまでここに置いてください」と懇願(こんがん)する。
一人娘を喪(うしな)った過去を持つ店主の比奈子(ひなこ)は、逡巡(しゅんじゅん)の末、二人を受け入れた。
だが、その夜更け、比奈子は月明かりの下で慟哭(どうこく)する憂に気付く。震える肩を抱きしめる彼女に、憂は衝撃の告白をはじめた……。
【お知らせ】遠田潤子さんの新刊『ドライブインまほろば』が発売になりました!舞台は山奥の寂れたドライブイン。人生から逃げ出した女と少年と男が”十年に一度の奇跡”を探します。”愛”と”生きる意味”を問う、魂震える物語。読み出したらもう止められない、遠田ワールドに引き込まれてください! pic.twitter.com/AuaFMm2Hwy
— 祥伝社文芸出版部@陽気なギャングプレゼント企画実施中! (@shodensha_novel) October 12, 2018